破産

ここ10年で、街の様子がだいぶ変わった。コンビニが増えたってのもあるが、「無人契約機」の増加が顕著だってことを言いたい。



ネオンに照らされた一角に無人契約機、もはや普通の光景になっている。TVCMや新聞広告でも消費者金融系のものが目立つ。



昔は借金なんて後ろめたいから、こっそりと借りるもの、というものだった。それがいまや「ご利用は計画的に」の文言をひっさげて堂々たる営業だ。そもそも計画的に金を使う人は借金なんかしないんだよ。逆に計画的に借金するやつも、そうはいないだろう。



職業柄、破産していく人、借金がもとで離散してしまった家族、競売にかけられた家・・・そんな人間の陰の部分を多く見て来た。けして気分のいいものではない。この前まで平和そうにしていた家族が、あるとき突然消えてなくなる。近所の人も知らないうちに消えてしまう・・夜逃げだ。



気軽に借金できる、カードがあれば何でも買える、こんな安易な気持ちが、身を滅ぼすんだ。