別れ

俺の班の先輩職員山口さんの勧奨退職が承認されたと。これは、勤続年数により、定年前に退職すると、退職金が多少多くもらえる制度だ。

山口さんはまだ定年まで結構あるし、うちの班では欠かせない戦力なのだ。実に痛い、痛すぎる・・・

それ以前に寂しい気持ちだ。俺が新人の頃からお世話になってきた。ユーモアのある優しい性格で、背は高いのだが、おっとりとした好漢。

酒に弱く、酒席でもコーラばかり飲んでいて、高い買い物をせず、駅前で売ってるような安いカバンとか靴を愛用。よく壊れたカバンをからかったりしたものだ。

なぜ、突然辞める気になったのだろう・・・


答えはこうだ。山口さんのお母さんが、けっこう重病らしく、以前からちょくちょく看病に行っていたらしい。しかし、つきっきりで世話をしないとだめな具合になってしまったらしく、今までのように仕事をしながら・・だと肉体的にきつくなってしまう。だから、勧奨退職する決意を固めたのだ。


山口さんが抜けると、班運営もかなり厳しくなる。しかし、残った俺たちで頑張ろうと思う。

山口さん、長い間お疲れさまでした!!そしてお世話になりました!